角川映画「キャバレー」とJazz「レフト・アローン」

   

iTunesの映画やばいです。
もう20年以上も前の角川映画がいっぱい。
当時は、私も20代。
若かったな〜
この「キャバレー」は映画館で観たのですが、今回iTunesStoreにも並んだので24年ぶりに観てみました。
監督の角川春樹さんは、出版社角川書店の御曹司。
良い意味でも悪い意味でもいろんな話題を振りまいた人です。
ちょっと風変わりな方で、当時はいろいろ言われましたが、出版業界や映画業界に与えた影響はけして少なくありません。
そのあたりは、ウィッキペディアへ譲るとします。
ウィッキペディア:角川春樹
さて、この映画。
主演のサックス奏者の方の台詞棒読みは脇に置いておいて、(笑)典型的な当時の角川映画です。
舞台は横浜。
でも、現在のような国際会議が開かれる垢抜けた近代的な雰囲気ではありません。
この映画に出てくる雰囲気の怪しい赤煉瓦の倉庫や引き込み線の走る操車場、匂ってきそうな川がある横浜。
大桟橋のあたりの外人向けのBarがいっぱいあった頃の横浜です。
その他の見所としては、角川映画オールスターキャストと言えるような有名な役者さんが、ちょい役でいっぱい出てきます。
角川三人娘と言われた薬師丸ひろ子さんがウエイトレス役、渡辺典子さんがジャズボーカリスト役、原田知世ちゃんが友人役で出てきて、彼女の口から「Jazzには、ハーレムと淫売と麻薬の匂いが染みついている」なんて台詞を聞いてドキドキしたもんです。
(なぜだか、原田知世さんは「ちゃん」の方がしっくり来るので)
なんせ、清純派女優の代表のような方でしたから・・・
そうそう、YouTubeで予告編映像を見つけたのでどうぞ。




映画全編で所謂クサイ台詞が出てきます。
「Jazzを探しに行くんだって出て行ったのよね」とか「あの人死ぬ気よ」とか...
原作が、栗本薫氏というのもあるのでしょうが、でもなんだかこの時代はみんなそうだったな〜
一生懸命格好つけて、思いっきり背伸びして生きていたような気がします。
今から見れば、何だかやはりクサイのかもしれません。
でも、そういう背伸びや、夢を見て生きることが許される時代でしたね。


ところで、この映画のテーマとなっているJazzのスタンダードナンバー「レフト・アローン」(以下、Left Alone)ですが、映画の中でも解説されているように、Jazzボーカリスト Billie Holiday(ビリー・ホリデー)の伴奏者として有名なMal Waldron(マル・ウォルドロン)の作曲です。



この曲とビリーについては、昔書いたのでそちらを参照してくださいませ。
参考記事:林囓:奇妙な果実 ーStrange Fruitー
実は私は、この映画を観てJazzを聴き始めたミーハーなヤツです。
なんたって歌うようなアルトサックスの音色が素晴らしい。
このサックスは、Jackie McLean。
こんな押さえた吹き方をするのはとっても珍しいんですよね。
この録音時は、Billie Holiday追悼の意味もあってことだと思います。
普段はこんな感じですから・・・



この曲は、この演奏がヒットしたものですから、固定観念になっているのかアルトサックスやボーカル以外で演奏されるのはあまりみないのですが、私の追っかけているJazzバイオリニスト maikoさんが、素敵な演奏をしています。



Jazzの面白さの1つは、こういうところにあります。
同じ曲でも演奏する人や楽器によってまるで違った物になる。
演奏者それぞれのLeft Aloneがあるんです。
そして、この映画で吹き替えをやっているJazzミュージシャンがまた凄い人たちです。
エンドロールにクレジットが出てくるのですが、私が知っているだけでも、アルトサックスは、この映画の音楽を監修した大友義雄さん、ベースの坂井紅介さん、残念ながら近年亡くなってしまいましたが韓国人ピアニスト役で出演されていた山川浩一さん、などなど。
日本映画としては、トップレベルの音楽です。
最近では「のだめ」くらいですかね。
音楽が題材の日本映画は...
もっともっとあって良いような気がしますけど。


この映画と、二本立てで上映していたのが、たしか原田知世ちゃん主演の「Woman with Black Dress黒いドレスの女」だったと記憶しています。
二本立てって何?と思われる方も多いかもしれませんが、私の若い頃、よほどの大作以外はほとんど二本立てでの上映でした。
それに入れ替えもなかったので、観ようと思えば朝から晩まで映画館で過ごせたのですよ。
面白い映画は、外に出なければ何回も観ることができました。
入場時間も自由。
マナーは悪いですが、本編の途中から入る人も多かったですね。
さっきも言いましたが、入れ替え制じゃないので途中から入って次の上映時間まで中にいて、観られなかった部分を観たら外に出るなんてこともできました。
いつからかな〜
こんなに映画の敷居が高くなったのは。
昔はもっと映画が身近にあったような気がします。
そりゃぁ海外の映画祭で話題になるような大作もいいですが、角川映画のようなチープでB級だけど純粋に楽しめる大衆娯楽の映画ももっと観たいですね。
映画の敷居を低くしてくれるiTunesStoreの映画コンテンツ。
今後も楽しみです。
あ、1つこの映画を観るときの注意事項。
お子様には刺激的な場面も出てきますので注意してください。

キャバレー
The Cabaretキャバレー


[おまけ」
知世ちゃんのお姉さん、原田貴和子の主演映画、大林宣彦監督作品「彼のオートバイ彼女の島」という角川映画があるのですが、残念ながらiTunesStoreにはありません。
YouTubeで見つけたので、懐かしい方、バイク好きの方はどうぞ。
大林監督の絵作りが美しいサービスショット版です。(^^ゞ

 - 映画大好き^_^