Jazz Time -モーガン&ドーハム-

   

みなさん連休をお過ごしかな?
私は、取りあえずコルネット吹いてます。(笑)
普段集中して練習できないので、暇があるとプープー鳴らしています。
お陰で唇は常時痺れた状態。(苦笑)
それに防音のため部屋を閉め切って吹いているので、このところの陽気もあって暑い暑い。(^_^;)
おまけに相変わらず真空管アンプでジャズを聴きながらなので、暖房が入っているようなモノ。(笑)


自分がコルネットを吹き出したのもあって、最近聴くのは、自然とトランペットプレイヤーが多くなってます。
その中でも、お気に入りは、Lee Morgan
アート・ブレイキー&ザ・ジャズメッセンジャーズのMoanin'が大ヒット曲した時代のトランペッターがこの人。
きらびやかな演奏がこの人の魅力。
音が明るくて、華やかです。
Art Blakey & The Jazz Messengers - Moanin' - Moanin'Moanin'
↑最初のソロを取るのがリー・モーガン
一方、このリー・モーガンと好対照なのが、初代The Jazz Messengersのトランペットを務めた、Kenny Dorham
Art Blakey & The Jazz Messengers - Art Blakey: At the Cafe Bohemia, Vol. 2 (The Rudy Van Gelder Edition) - YesterdaysYesterdays
Art Blakey & The Jazz Messengers - Art Blakey: At the Cafe Bohemia, Vol. 2 (The Rudy Van Gelder Edition)At the Cafe Bohemia, Vol. 2 より。
この人の音は、どちらかというとあまり装飾のない素朴な音です。
一つ一つ音を積み上げていく感じ。
役者で言えば、リー・モーガンが、主役を張るメインキャスト。
ケニー・ドーハムは、いぶし銀の名脇役という印象です。
そんな二人の音楽性の違いがとっても良くわかるのが、それぞれがリーダーを務めたワンホーンのアルバム。
※ワンホーン:ピアノトリオ(ピアノ、ベース、ドラム)+ホーンセクション(サックスやトランペット等)1名の構成による演奏。


ケニー・ドーハム
静かなるケニー

サイドメン:トミー・フラナガン(Pf)、ポール・チェンバース(Bass)、アート・テイラー(drums)。
題名にわざわざ静かなる(quiet)とついているのは、このアルバムの前に有名なアフロ・キューバンといういささか元気でのりの良いアルバムを発表しているから。
しっとりとした曲が多くて、トランペットがうるさい!と感じる人にもお勧めです。
リー・モーガン
キャンディ

サイドメン:ソニー・クラーク(Pf)、ダグ・ワトキンス(Bass)、アート・テイラー(drums)。
※ドラムのアート・テイラーは、両方のアルバムに参加していますね。
こちらのアルバムは、一言で言うととっても可愛い。
リー・モーガンのお茶目で楽しい演奏がたっぷりと聴けます。(#^_^#)
また、以前にもご紹介した、ソニー・クラークが参加しているのも○。
参考記事:Jazz Time -Sonny Clark-


有名なトランペッターはたくさんいるのですが、トランペットのワンホーンアルバムというと、とっても数が少ないんです。
ケニー・ドーハムは、その名脇役ぶりから、サイドメンでの録音が多く、元々リーダーアルバムが少ないのですが、いっぱいリーダーアルバムを出しているリー・モーガンにしても、ワンホーンアルバムは、これだけです。
理由は簡単。
トランペットのワンホーンという構成は、とっても大変だから。(マジで)
同じホーンでもサックスは、リード(薄いヘラ)を振動させて音を出すのに対して、ラッパ系は唇を振動させて音を出します。
当然唇は、生身なので、冒頭で言ったようにだんだん感覚がなくなって痺れます。
そうなると演奏どころか、音自体が出なくなります。(T^T)
だんだん慣れてきて長いこと演奏できるようになるようなのですが、私みたいな初心者は、10分も続けて練習曲を吹いているともうだめ。
口の形(アンプシュア)を保てなくなって高い音から出なくなります。
また、回復するのも初心者だと遅くて、一晩経っても元通りに戻らないことがあります。
だから、1曲が、5分もある曲を続けて吹いてレコーディングするのは大変なことなんです。
すんなりテイク1で決まればいいですけど、何回もやり直しが続けば・・・
話を元に戻しますと・・・


その最後も彼らは対照的な気がします。
生まれはケニー・ドーハムの1924年に対して、リー・モーガンは1938年生まれと、14歳ほど歳が違いますが、亡くなったのは同じ年。
1972年。
2月19日、リー・モーガンは、ニューヨークのジャズクラブでセカンドステージを終え、楽屋へ戻る途中、けん銃で射殺されます。
撃ったのは、彼の恋人ヘレン (Helen More) 。
※ヘレンは愛人だったという説もありますが、この当時リー・モーガン結婚していなかったようなので、日本語的には、恋人の方がよいでしょう。(内縁の妻との説もあり)
ニュースソースは忘れましたが、この事件に関してこういう話を聞いたことがあります。
事件の起きる前年、リー・モーガンが、大病を患って苦しんでいた時、14歳年上のヘレンは献身的な介護をしたそうな。
そのおかげで復帰できたのですが、リー・モーガンが別れ話を持ち出し、この惨劇になったようです。
当時、リー・モーガン33歳、ヘレン47歳。
リー・モーガンといえば、デビュー当時クリフォード・ブラウンの再来と言われた時代の寵児、きっと病気をしている間は、自分の手の中にいた彼が遠くへ行ってしまうのが悲しかったのでしょう。
なんだか、映画になりそうな物語ですね。
これを書いている時に思い出しました、ライブアルバムのメンバー紹介で、アート・ブレイキーが、リー・モーガンを「レディースホームマガジンで話題の・・・」と紹介していましたっけ。(^^ゞ
一方、ケニー・ドーハムは、リー・モーガンから約10か月後の12月5日、腎臓病を患い静かに息を引き取りました。
48歳でした。
彼の作曲した曲で、一番耳に残りそうなのが、静かなるケニーKenny Dorham - Quiet Kenny - Lotus BlossomLotus Blossom
「蓮の花」
曲名のとおり、彼は、万事控えめで、朴訥とした性格だったような気がします。



参考出展
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ケニー・ドーハム
リー・モーガン


 - Jazz Time